今森光彦 自然と暮らす切り紙の世界 展 2017.09.27 コラム 先日、昆虫写真家 今森光彦さんの展覧会に行ってきました。 昆虫の写真で有名な方ですが、今回の個展は写真ではなく、切り絵です。 切り絵は昆虫だけでなく、植物や鳥、森の生き物たちです。 カラフルなオウムやカメレオン、身近な桜、野鳥、アゲハチョウなど…。 驚いたのは紙の厚み、奥行きです。 オウムの目をよく見ると、直径1.5cmくらいの目には10枚、10色以上もの色紙が重ねられていました。 色をただ塗り分けたのとは異なり、重なった紙の厚みが見えるので、油絵のような凹凸があります。 図録や絵葉書ではその厚みまでは伝わらないのでそれが残念ですが、裁ち鋏のような大きなハサミ1本で 、葉脈や昆虫の触角などの細いラインまでが切り出され、貼り重ねられていくのです。 絵具のように色を混ぜることが出来ないのに、色紙の細かな重なりによって繊細で今にも動きそうな線が表現されていました。 また、今森さんの滋賀県のアトリエも紹介されていました。 里山の緑いっぱいのなかにアトリエがあり、美しいものに囲まれているからこそ産み出された作品だと言うことがよくわかりました。 展覧会はあと少しですが、美術館へ森林浴に行ってみてはいかがでしょうか? 神戸ファッション美術館 今森光彦 自然と暮らす切り紙の世界 展 2017年10月9日(月・祝)まで