ある新聞記事より 2020.02.12 コラム ある新聞記事より 現在、東大病院でドクターをしているその人は、中学生の夏 父親の仕事の都合でオランダから帰国したとたん、環境の変化に ついていけずに過大なストレスを受けた結果、喘息が悪化してしまった。 現在では、「喘息は気管支の炎症」と理解し、日常的に吸入ステロイドを用いて炎症を 抑え、発作の予防を目指すが、当時30年ほど前は治療方法が確立されておらず 発作が起きてからの対症療法を行うのみであった。 根本に対処しない故、発作は繰り返し、苦しくて息が吐けなくなり、命にかかわる 大発作に入退院を繰り返す生活であった。高校受験に失敗したその人は、 そこで、 「病気に甘えてすべきことをしないでいると結局自分が痛い目に合う」と開眼する。 喘息の状態は相変わらずのままだが、自宅でも入院中でも救急外来でも、自分 で課した課題を実行することで、目指していた医学部に合格する。 現在も続く長い闘病で、体得した病気との付き合い方は 「最善の結果を生み出すには、社会生活を続けて気力と体力を充実させることが 何より重要」ということだった。 闘病しながら社会生活を続けるのは、難しいと考えてしまう。 しかし、社会生活の中で病気とも付き合っていくと考えれば 少しでも前向きになれるのではないかと気づかされた 記事であった。